カチカチ噛んだときに、「歯が浮いているかな?」と感じたことはありませんか?
なぜ歯が浮いたように感じるのでしょうか。
今回は歯が浮く原因について詳しく解説していきます。
歯が浮く原因は、歯根膜にあります。
歯根膜とは、歯と歯を支えている歯槽骨と呼ばれている骨の間にある組織です。
歯根膜には血管やリンパ、神経が通っており歯に栄養を与えたり、歯に加わる衝撃を柔らげるクッションのような役割を果たします。
【原因1】ストレスや疲れ
体が疲れていたり、ストレスが溜まっていると、血行が悪くなります。
歯根膜の血行が悪くなると、歯根膜の厚みが増して、歯が浮いたように感じます。
【原因2】 歯周病
歯周病とは、歯周病菌に歯の周りの組織が感染して炎症を起こす病気です。
はじめは歯ぐきの炎症が起きますが、進行していくとさらに周りの組織まで炎症が及んでいきます。
歯根膜にも炎症が起きるため、歯が浮いたように感じます。
特に体調が悪くて抵抗力が落ちているときは、余計浮いたように感じやすいでしょう。
【原因3】 歯ぎしり、食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをすると、歯に強い力がかかります。
自分の体重以上の力が加わります。歯根膜はその力を分散させようとしますが、常に力が加わるとダメージを受けて歯が浮いたように感じます。
【原因4】 歯の根の先に膿が溜まっている
むし歯を放置しすぎると、神経が死んでしまい、その後歯の根の先に膿がたまることがあります。
また過去に神経の治療をしていたとしても、再び感染して根の先に膿がたまることがあります。
これらの場合、歯が浮いたように感じます。
【原因5】 神経の治療をしたあと
むし歯が大きくて神経まで炎症が及ぶと、神経を除去する治療をします。
神経をとってきれいに消毒をするときに、根の先に刺激が伝わるため歯根膜が一時的に腫れて浮いたように感じることがあります。
一過性のもののため、2,3日で症状は治まってくることがほとんどです。
【原因6】 硬いものをたくさん噛んだとき
硬いものをたくさん噛むと、歯根膜に強い力がかかるため、歯が浮いたように感じることがあります。
歯が浮いている原因はさまざまなので、原因別に対処する必要があります。
なかなか自分自身では原因を突き止めることは難しいので、歯科医院で一度検査してもらうと良いでしょう。
歯周病が原因なら歯周治療を受けたり、歯ぎしりが原因ならマウスピースを作るなどの処置をしてもらいましょう。
いずれにしても、歯の浮きを感じたら放置するのではなく早めに歯科医院で診てもらいましょう。
新大阪ひかり歯科クリニック院長 増田 浩輔
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